公営ギャンブルで必ず疑いがかかる八百長。

特に競輪は、チームを組み競い合う競技であり、チーム内で相談すれば簡単に順位を操作できることから、八百長を疑う声が後を絶ちません。

そこで今回は、八百長があるのかどうか・疑われる理由・過去に八百長が疑われたレースなどを徹底解説！

ぜひ最後までご覧ください。

競輪で八百長はあるのか？

度々、八百長が疑われる競輪ですが、実は公式に認められた八百長は今まで一度もありません。

ただ、各SNSやなんJなどのネット上では、八百長はあるというコメントだらけ。

競輪で八百長否定する奴はバカ。八百長込みで予想するもんだから。引用：なんJ

八百長ってまで行かなくても、グループ戦みたいなもんやからな。勝負所で敵チームのエース格をブロックして数秒遅らせる役がいるだけで有利になる。だから勝ち点不足の仲間を勝たせようとするレース展開もある。引用：なんJ

なんか最近の競輪は八百長感半端ない。引用：X(旧Twitter)

なんにしても理由つけて正当化しても八百長は八百長。競輪は八百長。競争得点が高かろうが、同じ級で戦って、直近の勝率が低い癖に勝つ自体間違い。今日の特選は仕組み。本当は先に出ている奴が出ない。出れないじゃなく最初から出ない。決められてるから。引用：X(旧Twitter)

競輪の選手ってゴールの直前でスピード緩めてすぐ諦めているように見えるけど、
なんで最後まで必死に走らないかなあ〜。選手たちは自分達に金をかけられていることに対しては無関心なのかー！競輪は八百長くさいからやめよー。引用：X(旧Twitter)

上記以外にも「競輪で八百長が起きるのは当たり前」「八百長レースばかり」などの意見も見られました。

では、なぜ競輪はこれほどまでに八百長が疑われているのでしょうか。

順を追って説明していきます。

競輪の八百長とは

そもそも八百長とは「真剣に勝負しているように見せかけて、前もって約束しておいた通りに結末をつけること」です。

競輪は、真剣勝負前提で車券購入者が予想するので、八百長は車券購入者を裏切る行為。

そのため、厳しい規則が設けられており、以下3つを破ると八百長となり得ます。

• レース期間中に無断で外出する
• 競輪場に携帯電話を持ち込む
• 関係者以外と接触する

もし上記を破り、八百長をしていたことが発覚した場合、重い罰則が与えられます。

競輪の選手が、その競走に関して賄賂ろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、3年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、5年以下の懲役に処する。引用：自転車競技法　第60条

たとえ、実際に八百長が行われなくても、約束するだけで重い刑事罰が与えられます。

そのため、少しでも八百長の疑いがあるとされれば、一瞬にして競輪界から永久追放される可能性が高いです。

競輪で八百長が疑われる理由

公式に認められた八百長はなく、厳しい規則も設けられているにも関わらず、なぜここまでたくさんの噂があるのでしょうか。

その理由は、以下の競輪の特徴が関係しているからだと考えられます。

• ラインというチーム戦で競技が行われるため
• 特殊なルールで開催されるレースがあるため
• 暗黙のルールがあるため

競輪は、他の公営ギャンブルと違い、チームで競い合ったり、レースによってルールが変わることがある競技。

それゆえに、八百長が起こりやすいと言われているようです。

ラインというチーム戦で競技が行われるため

競輪は、ラインと呼ばれるチームで競い合う競技。

チームが協力しなければ、勝つことは出来ないため、レース前にお互いの動きを決める作戦会議が行われます。

ただ、言い換えれば、この作戦会議が八百長の定義の「前もって約束しておいた通りに結末をつけること」に該当するといっても過言ではありません。

そのため、事前にどの選手が勝つか決められていたのではないかと思われ、八百長が疑われます。

特殊なルールで開催されるレースがあるため

年間様々なレースが行われる競輪ですが、中には少し特殊なルールがあるレースもあります。

上記レースは、予想がしやすいように選手を配置していたり、個人戦となるようにと、一般的なレースと明らかに違うルールがあります。

そのため、あまりにも予想外な展開になったと八百長が疑われることがあります。

八百長を疑い、二度とやらないと言っている方もいるほど。

元々八百長を疑われることが多い競輪ですが、ミッドナイト・ガールズケイリンは特に八百長が多いと言われています。

暗黙のルールがあるため

レース中盤までチーム戦である競輪は、選手間同士の信頼を保つために暗黙のルールが存在します。

• 何の動きもないレースをしてはいけない
• ラインの並びは前日コメントや顔見せ通りにする
• 顔見せで競りを表明したら少なくとも1回は競りに行く
• 番手選手は後方選手の仕掛けを牽制しなければいけない
• 先行する番手・3番手選手が仕掛けるのは最後の直線から

暗黙のルールは、あくまでマナーやモラルのようなものです。

公式のルールとして定められているわけではないので、守るか守らないかは選手次第。

罰則もないので、選手が守らず勝手な行動をする場合もあり、それが八百長をしているのではないかと、疑われる理由の1つとなっています。

競輪で八百長疑惑が持ち上がった事例

八百長が噂されるのは、競輪の性質が理由となっている場合がほとんど。

ただ、過去には大々的に八百長疑惑が持ち上がった事例もあります。

• 自転車を降りたことで八百長疑惑に
• 小説家の坂口安吾が告訴し八百長に発展
• 暴動鎮静が招いた八百長事件
• 不自然な払い戻し金額で八百長が疑われた
• 何度もスタートをやり直したことで八百長疑惑がかかる
• 係員のカウントミスが招いた八百長事件
• スマホ所持により八百長疑惑がかかる
• 競輪関係者が車券を購入し八百長を疑われる

上記の中には、裁判沙汰にまで発展したケースも。

対象となるレースとともに、なぜ八百長が疑われたのか、1つずつ詳しく説明します。

1950年9月9日鳴尾競輪11R：自転車を降りたことで八百長疑惑に

今はなき、兵庫県の鳴尾競輪場（後の甲子園競輪場）で起こった八百長疑惑。

1950年9月9日に、レース直前に発生したジェーン台風という大型台風により、施設に大きな被害が生じたため、施設改修の名目でレースが開催されました。

問題が起きたのは、第11レース。

本命視されていた選手が、出走後にクランクピンが緩んでしまったため、審判員にレースのやり直しを申し出たうえで、自転車から降り、ピンの締め直しを行いました。

ところが、レースはそのまま進行。

人気選手が思わぬ事態で車券外となったことから、払戻金11820円（的中車券216枚）の万車券となり、八百長疑惑が出てしまいました。

1951年9月16日伊東競輪12R：小説家の坂口安吾が告訴し八百長に発展

元々、競輪の八百長に興味を持っていた小説家の坂口安吾。

実力がない選手が、急に「逃げ」で1着をとるレースがあることや、競輪場の運営を裏で取り仕切る人に配当を渡すために走っているのではないかと、八百長を疑っていました。

その後、実際に足を運び見た伊東競輪場で行われたレースで「自分の目で見た結果と発表された着順が違う」と八百長を疑います。

そして「写真判定で一着と二着の入れ替えが行われたのではないか」として、判定写真を入手し、静岡県地方検察庁へ告訴。

毎日新聞にも「伊東競輪判定写真ごまかす　坂口安吾氏が告訴　“この目で見た不正”　一、二着背番号入替え」という見出しで報じられ、大きな話題となりました。

しかし、通産省で告訴内容を調査した結果、坂口氏の思い違いと断定され不起訴となっています。

1959年6月23日松戸競輪場5R：暴動鎮静が招いた八百長事件

1959年6月23日に開催された、松戸競輪場第5レースの着順判定を巡って八百長が疑われた「松戸事件」。

観客が暴徒化し、施設を破壊するほどに発展してしまいます。

さらに、暴徒化した一部の客に主催者側が「車代」と称して1人あたり1000円を渡していたことも発覚。

着順判定に疑いがあるうえ、客にお金を渡したことで、八百長疑惑の物議をかもした事件です。

1960年9月13日西武園競輪：不自然な払い戻し金額で八百長が疑われた

1960年9月13日の西武園競輪で、断トツで人気があった選手の競争中止により、起きた事件です。

一番人気だった白鳥伸雄選手がスタート直後にパンクしたにも関わらず、競争は成立。

さらに、1番人気の選手が飛んだにも関わらず払い戻し金が安かったため、八百長が疑われました。

この事件から白鳥選手は「ファンは勝つべきものが勝たないレースには納得してくれない」という気持ちから猛練習に取り組むようになったみたいです。

1968年4月11日川崎競輪：何度もスタートをやり直したことで八百長疑惑がかかる

川崎競輪場での重賞レース「桜花賞」決勝での事件。

当時のレースには先頭誘導員がおらず、出場選手の誰かが先頭を走る役割（通称トップ引き）を担っていました。

しかし、このレースでは率先してトップ引きを担う選手が現れず、何度もスタートをやり直しする事態に。

最終的に、上位人気の笹田伸二選手が業を煮やして「トップ引き」を行いました。

その結果、不利な役割を務めた笹田選手は車券外。

レース直後、八百長を疑った一部の客が暴徒化して、焼打ちするなどの騒ぎに発展してしまいます。

この事件以降、トップ引きは6番車の選手が担うというルールに変更されました。

2000年2月11日立川競輪10R：係員のカウントミスが招いた八百長事件

2000年2月11日の立川競輪場で開催された「アシアナカップ」起きた事件。

その日の決勝レースで、係員が残り周回数を間違え、1周前に打鐘を鳴らしてしまいます。

ただ、本来は何度も鳴らす所を1回鳴らした時点でミスに気づいてやめたため、間違った打鐘による影響はなく、そのままレースは続行。

競技規則では「打鐘を誤って鳴らした場合は競走不成立」となっていますが、主催者側はレースを成立させます。

そのため、一部のファンは八百長を疑い、競輪場内に立て篭もる騒ぎにまで発展しました。

当時のレース映像が残っているので、気になる方は以下を参考にしてみてください。

2018年3月11日久留米競輪：スマホ所持により八百長疑惑がかかる

2018年3月11日に久留米競輪で開催されたガールズケイリンで起きた事件。

本命の大久保花梨選手が急に失速して3着になり、八百長疑惑が浮上しました。

さらにその後、大久保選手がスマホを所持していたことが発覚。

外部と連絡をとっていたのではないかと、大きな問題に発展してしまいます。

その後、調査が入ると、このスマホは回線契約を解除した端末で、音楽プレイヤーとして持ち込んだものだと判明。

八百長の疑いははれたものの、規則を破ったとし、2ヶ月の出走停止処分が課せられました。

2021年10月27日和歌山競輪場：競輪関係者が車券を購入し八百長を疑われる

八百長行為を防ぐため、選手はもちろんのこと、関係者も「車券を購入してはいけない」という決まりがあります。

しかし、2021年10月27日に和歌山競輪場の責任者2名が、約1,000レース車券を購入したと問題に。

八百長を疑われ、県が調査を開始します。

調査の結果、地元のレースを買っていなかったことから八百長はなかったとのこと。

車券を購入した2人は「売り上げに貢献するため」「他の自治体の職員も買っているから」などと説明し、反省しているようです。

競輪で八百長に関与し引退したと言われている選手一覧

上記事例は、疑いをかけられたものの、実際に八百長が判明したわけではなく、罰則は与えられていません。

ただ、本当に不正を働いていた場合、法律違反として扱われ、即引退となります。

そのため、急に引退した選手の中には、八百長に関与したと言われている選手もいます。

噂となった選手は、1900年半ば〜終わりにかけて活躍した選手ばかり。

この時期は、選手の不正競争に対する認識も甘く、八百長が疑われるレースが多発していました。

そのため、本当に八百長が起きていたとしても、問題が悪化するのを防ぐため、公に公開せずに選手を引退させていたのかもしれません。

しかし、2000年以降は、八百長が原因で引退したと噂された選手はいません。

規制も厳しくなり、選手の意識も変わったので、今後も八百長に関与して急に引退する選手が出る可能性は低いと考えられます。

競輪の八百長まとめ

八百長疑惑がかけられたレースは数あるものの、実際に八百長が認められたケースはありません。

ただ、これほどまでに八百長が疑われるということは、それだけ展開を予想するのが難しいということなのでしょう。

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複雑な展開のレースでも、難なく予想が当たるので、ぜひ一度利用してみてください。